橋姫々メイト特典「君がため」を読んで、先日つらつらと考えていたこと （※ネタバレ・妄想たくさん。細かいところ適当……） 水玉世界線の川玉NTRでありながら、またもや水玉に戻る妄想 井戸の中から川瀬を制止したわんこの骨は見つからず、 川瀬が実行しようとしたことがそのまま成功。 一方、酔って寝ていた玉森くん、部屋で目覚める。 部屋を出ると、水上母に会う。 「水上は……？」 水上の居場所を聞くと、玉森くんと一緒に玉森くんちに行っていると思っていたと言われる。 （川瀬と水上が一緒に出て行ったことには気づいていない） 外から雨の音が聞こえることに気づく玉森くん。 なんとなくいやな予感がして、灯りを持って慌てて外に飛び出す玉森くん。 自分の家にいてくれればいいと思うけど、でも水前寺家の部屋で自分が寝ていることはわかっていて、水上が一人で玉森くんちに行く理由がないことも頭の片隅ではわかってる。 夜道の途中で人影を見つけ、近づくとそれは川瀬で。 「川瀬っ、水上を知らないか!?」 「さあ、知らないよ。水上とは、水上の家で飲んだきりだ。 俺は途中で酔い覚ましに外に出てしまったから」 「そうか……」 では水上はどこに行ってしまったのか。 「……そんなに水上のことが心配？」 「水上の家にあいつの傘があった。この雨の中、傘も持たずに出て行って、きっとどこかで困っているのだと思う。……ほら、あいつには抜けているところもあるだろう、だから、」 「――君は変わったね。前はそんなに水上を心配しなかった。今は……」 川瀬、手を伸ばして玉森くんの頬に触れる。 「今にも死にそうなほど心配するんだね」 「なにを言ってるのだ、川瀬。今はそれよりも」 川瀬の声が昏く、表情も固い。 どこか、なにかが違う川瀬。帝都で会っていたときの川瀬とは違う。 そして玉森くんは、今、川瀬の手に触れられたことに気づく。 水上のことで頭がいっぱいですぐには気づけなかったけど、今、あれだけ潔癖症だった川瀬に触れられた……？ 玉森くんの思索を遮るように。 「ねえ、水上が好き？」 「川瀬……？」 「あいつと二人きりでこの村に戻ってきた玉森くんには、そんなの愚問だったかな？」 川瀬の態度に違和感を感じて、玉森くん、灯りを掲げてその顔をよく見てみて―― 「……！？　――――……」 そのことに気づいてしまって絶句する玉森くん。 川瀬が持つその目の色は。 川瀬が持っているにはあり得ないはずの色で。 『玉森……』 優しい声の。いつもそばにいてくれた、水上の、瞳の色――。 そしてそれが意味することは。 『橋姫は目にかける相手を失ったとき、一番近くの者に憑くんだ』 「――――」 灯りも下げて呆然と立ち尽くしている玉森くんに、 「どうしたの玉森くん。そんなに驚いた顔をして」 「……か、わせ、どうして……」 「え？」 玉森くんが下げた灯りを玉森くんの手ごと川瀬が掲げると、 玉森くんの自分を見る目が絶望の色に染まっている。 わななくような唇に、血の気を失った顔色。 それで川瀬は、なぜか玉森くんにそのことを知られたことに気づく。 玉森くんにはいつか気づかれるかもしれないとは思っていたが、 まさかこんなに早く気づかれるとは。 でももう自分の決意は固まっていて、気づかれたところでもうまったく支障はないけれど。 「……水上に会いたい？　なら、こっちにおいでよ」 そう言って玉森くんの腕をつかんで引っ張る川瀬。 またもや川瀬に触れられているけど、水上のことで呆然としている玉森くんは気づかず、そのまま川瀬に引っ張られていく。 川瀬、玉森くんを自分の家に連れ込んで、そこで押し倒す。 橋姫を持っている川瀬が生きてる水上に会わせるというのが真実ではないにしろ、「そのため」に連れ込まれたとはまったく思いもしなかった玉森くん。 なのに川瀬に押し倒されて、水上のこともあってパニック。 とにかく川瀬を拒絶しなければと思うものの、川瀬の力が強いのと、「水上に操立てたところであいつはもういないよ」って川瀬が笑って言うから、絶望して押さえ込まれていく。 呆然と静かに涙を流しながら、川瀬に抱かれてしまう玉森くん。 （川瀬、この世界では玉森くんの猥談は読んでないけど、抱きながら「水上はどんなふうに君を抱いたの？」と言ったり、感度がいいところがあれば「ああ、ここを水上にじっくり責められたんだね」とか水上のことをちらつかせるから、残酷な言葉責めに。勿論玉森くんはそれでは感じたりはしないけど、川瀬の抱き方はレイプなのに丁寧で玉森くんを執拗に感じさせるから……） 翌朝早々、持参した睡眠薬で眠らせた玉森くんを連れて帝都に戻る川瀬。 （川瀬なら、玉森くん寝ていても連れの具合が悪いんだとか適当なこと言って列車に乗せることもできそうだし、あとは金積んで家まで車で送ってもらうのもできそうだから、人ひとり池田邸に連れ込むの容易そう） そこで、そのまま玉森くんを監禁。 （水上は、そのまま行方不明ということになり、水上の両親は水上が水たまりに落ちたのではないかと思うから、大事にはせず。ただ玉森くんが失踪したことだけは不思議に思う。場合によっては水上が水たまりにはまった証拠を見つけてしまって絶望して自殺したとか失踪したとか、はたまた水上と二人で水たまりに落ちたか……とか、いろいろ考えて心配はしてる。ただ川瀬が連れて行ったとはだれも気づかず） ご都合主義的展開…… 監禁中何度も川瀬に抱かれる玉森くん。その中で川瀬の潔癖症が嘘だったのも教えられるし、川瀬からの告白も受ける。 →１．そのまま池田邸で監禁生活END １−ａ　自殺しようとしても止められ、絶望して無気力に抱かれ続けるEND １−ｂ　川瀬の本気にだんだんとほだされ始めていくEND 川瀬の瞳の色を見ては水上を思い出す玉森くん。 （水前寺の蔵に雨水があることを知っていれば、橋姫を取り戻すことに躊躇がないだろうけど、それを知らないとさすがに川瀬を殺すことまでは考え至らなさそう。たとえ水上を殺した犯人でも、玉森くんはそれだけでは復讐に走りそうもないけど、どうだろう？　川瀬を殺して自分も死ぬ、という考えになったら有り得るかな） やはり水上を忘れられなくて、 橋姫を取り戻せばまた時を遡れる可能性があるかもしれない、と考えるor 川瀬を殺して自分も死ぬ、と考える →２．とにかく、玉森くんが川瀬を殺そうと計画する。 ２−ａ　実行しようとしたけど、川瀬に抵抗されてそのままEND ２−ｂ　実行しようとしたら、川瀬が笑って玉森くんになら殺されてもいいよ、とか、いつかこういう日を夢見てた、とか言うから、結局実行できないEND ２−ｃ　それでも川瀬を殺し、橋姫を取り戻す玉森くん。 どうせ自殺するなら水上の側でと会津に帰郷する。 （なかば気がおかしくなってるから、そのまま池田邸で自殺しちゃうのもあり。 玉森くんと心中なんて川瀬からすればある意味本望かも？） 村人に見つからずに死にたいと考えていたので、人に見つかりそうになって慌ててそばにあった建物に隠れる。 するとそれが水前寺の蔵で、そこで玉森くんは水上が溜めていた雨水を発見。 「水上、お前……」 自分に内緒でこんなものを隠していて……と泣きながら笑ったあと、戻れる可能性を考えて雨水をぶちまけ、そして――。 戻ったところで、もう自分は水上だけしか知らない純粋な自分じゃないけど、どうしてももう一度会いたくて。 玉森くんが戻ったところは、水玉が帰郷したばかりの幸せだったころの時間軸。 （その際の橋姫は水上に憑いているのか、過去の玉森くんなのか？ ……水上かな？） 玉森くん二人いることになるので、状況を話して過去の自分に消してもらう。 （簡単には信じないだろうから、今の玉森くんが過去の玉森くんを消す方が早いだろうけど、多分水上に会うのに、川瀬に抱かれた体のままでは罪悪感が勝ると思う） 川瀬に抱かれた記憶も持つ玉森くん、複雑な心境ながらも水上に再会する。 「水上……！！」 「玉森？　どうした……」 「水上……」 水上にぎゅうっとくっつく玉森くん。人目も気にせず。 そのうえ、雨の日ルールはもうやめようと言い出す。 「いいのか……？」 「いいんだ。雨でも晴れでも、おまえとずっといたいのだ……」 （しまった。会津に帰郷したばかりだから、雨の日ルールはまだなかった。 玉森くんがむやみに照れたり恥ずかしがったりしない、雨の日ルールを言い出そうとはしない、だな） 水上をもう失いたくない玉森くん。 『――君は変わったね』 それはいつかの川瀬の言葉。 そう、水上を想ってこんなにも自分は弱くなった……と思う玉森くん。 それでもその一方で強くもなれる、と決意。 そして水上と幸せな時間を満喫しているときに、また川瀬の誕生日がくる――。 前と同じに帰郷してくる川瀬。 玉森くん、このとき本当には酒は飲まず、酔って寝たふりをする。 川瀬と水上の忘れ物云々の会話を盗み聞きし、こっそりと二人のあとをつける。 井戸の前で話をしている川瀬と水上。 その会話は玉森くんには聞こえないけど、頃合いを見て姿を現す。 「水上、川瀬。二人ともここにいたのか」 「玉森。今、川瀬の探し物を手伝っていたんだ」 「そうか……」 心ここにあらずでそう答えた玉森くん、水上の側に寄ってその腕にぎゅっとつかまる。 川瀬の前でも躊躇いのないその行動と、震えている腕に水上も内心で驚くし、 川瀬も目をすがめて「……」と悟る。 そして、川瀬を（複雑な心境を抱きながらも）睨みつける玉森くん。 川瀬、シニカルに笑って持っていた煙草を投げ捨て、 「水上、もういいよ。忘れ物は諦めよう」 「川瀬、いいのか？」 「……いや、またいつか取りに来てもいいんだけど」 「……」 川瀬のその言い回しと表情で、忘れ物のことは川瀬の嘘だと知る水上。 立ち去る前に玉森くんを見つめる川瀬。 そこにあるのは、ただの友達に向けるだけではない、まるで自分の気持ちもすでに知っているかのような目の色で。 とりあえず今はそのことだけに満足する川瀬。 「――またね、玉森くん」 「友達の」川瀬らしくない甘さをのせた声と微笑みが、ベッドで何度も抱かれていたときの川瀬の声と重なってびくっとなる玉森くん。 「――」 何も言わずに、その玉森くんの腰に手を回し、力を込めて抱き寄せる水上。 （正確にはわからないながらも、玉森くんが変わった理由をなんとなく察する） そして川瀬、この場を立ち去る。 了